Tactic
第11話 Empty Me

side 智也

夢から覚めると、いつもの俺の部屋で、また平凡な1日が始まる。


学校に行って、授業受けて、家に帰って寝て、また目覚める。



例えば、いまもし世界が滅んだとしても……俺の心は冷え切って、ただその運命のレールの上をまっすぐに歩くだけだろう。


大事な人がいるのならば、足掻いて必死に抵抗して、運命のレールから逃れようとするに違いない。


だけども、俺にはその大事な人がいない。


もう、決めたんだ。


誰も好きにならない。


好きになったら、辛いだけだから。


俺ってば、絶対将来は独身を貫き通すだろうな。

まぁ、それもいいかなって、最近ようやく思えるようになってきた。
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