Tactic

side智也

奪いたくてたまらなかった。


今、言葉を発しているその唇を塞ぎたくてしょうがない。


俺は、夕焼けに染まる校舎の中でトーコの唇を奪っていた。


昨日のような軽く触れる程度のキスではなく、その舌を絡ませあいたい。


無茶苦茶に、溶けあいたい…



トーコのかたく閉ざされた唇を、舌でこじあけた。


俺の舌が口内に入ってきたことで、トーコの体は一瞬跳ね上がる。

その反応を楽しむかのように、俺は口元の端を持ち上げながらトーコをたしなめるのだ。

瞬間、俺の唇はその動きを止めた。


トーコは俺の顔を睨みつけ冷たい一言を放つ。


「何よ、文句ある?」

唇につたう血。


俺はそれを舐めあげながら、固定していたトーコの体から手を離した。
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