Tactic
「本当、宗輔(そうすけ)は智也くんのことお気に入りなんだから」

叶さんの後ろから、顔を出したのは彼女のリエさんだ。


肩よりも長いストレートの髪に大きな瞳。


トーコがいなかったらきっと、俺の心はリエさんに奪われていたに違いない。


集会ではリエさんや俺は浮いている存在だ。

叶さんも仲間内で話し、俺達ふたりはいつも会話をする。


「智也くん、今日も行ってくれたんだ。本当にありがとう」


「いえ、リエさんの頼みなら」


話していく内に叶さんの浮気の相談を持ちかけられた。


その防止の為に、俺は叶さんに内緒で叶さんと関係をもつ相手と寝る。


いつもリエさんは叶さんについてまわる為、大体は顔見知りの女らしい。


だからリエさんに紹介された女の元へ俺は出向く。


俺との交わりがあれば、女は満たされ叶さんとセックスしないというリエさんの考えだ。
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