Tactic
「どこに行ってたのかなぁ~?」


詮索するように、安司は俺にベタベタ寄ってくる。


「あ、なんか智也いい香りする。なに、これ……」


安司を押しのけた俺は、シャツを脱ぎ捨て着替え始める。


多分、つぐみの匂いだ。

安司の奴、ほんと勘が鋭いんだから。


「別に……何処だっていいだろ。つか、なんでお前が俺の部屋でくつろいでんだよ!」


「お前のオバサンも兄貴も俺のこと家族みたいなもんだからって、入れてくれた」


ベッドにあぐらをくんで座りながら、ニヤリと笑みを零す安司。


< 278 / 305 >

この作品をシェア

pagetop