Tactic
第4話 繋いだ手

sideトーコ

私と智也の関係、冬休みに入ればどうなるのだろう。

あの約束は少しの間、休息なのかな。

それならいいのに。


智也とキスをする度に、私の胸は痛む。

先輩を好きなのに、智也とキスを交わす。


兄が好きなのに、弟とキスをしている私。


「兄貴、クリスマスは家にいるってさ」


智也の声に、私は顔を上げた。


「え?」


「聞いてんのか?兄貴、クリスマスは家にいるって」


智也の眉間に皺が寄る。

そんな歪んだ表情が、私の慌てぶりにすぐさま変貌した。


「な、24日俺んち来いよ」


「え?!24日?!」


「今、その話してただろ?俺んちに来りゃ、兄貴と過ごせるぜ?クリスマス」


口の端を持ち上げながら、智也はそう言った。

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