Tactic
「トーコ?」


不思議そうに智也が私に振り返る。


目と目が合い、私は掴んでいた服を離した。


「ごめっ……、私帰るね」


その場を走り去る私。


私、なにやってんの?


これじゃあまるで、智也のことが好きみたいじゃない。


智也をあの女の人の元へ行かせたくないなんて…私どうかしてる。


私が好きなのは、智也のお兄さん。


そう、南木先輩なんだから……


< 47 / 305 >

この作品をシェア

pagetop