Tactic
一瞬、目を見開いた。


ひんやりとした俺の肩が、熱くなる。


遠ざかる靴音に耳を傾けながらも、俺は先公に見つかるという焦りは感じていなかった。


寧ろ、このまま先公に見つかりトーコと噂になったほうが嬉しい。


だけど、きっとトーコは嫌がるだろうな。


そう考えると、見つからないでほしい…。


トーコの……困惑した顔は見たくないから。


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