【完】恋の欠片―ユアン編―㊤
安心したその時。



ポケットに入れていた携帯が、震えた。



画面を見ると、“着信14件”と表示されていた。



え!?なんでこんなに…?



びっくりして着信履歴を見ると、14件とも沙紀さんからだった。


今の電話も切れて、それには留守電が入っていた。



『…ピッ。…もしもし、癒杏ちゃん…?沙紀です。全然電話に出ないから留守電にしておきます。あのね…間に合わなかった…。もう荷物チェックもして、飛行機に乗ろうとしてる。ごめんね、力になれなくて本当にごめんね…。…ブツ。ピー、午後6時32分…』



え…………。



間に合わなかった…の?


そんなっ…!!



せっかくここまできたのに!?



イヤッ…そんなの嫌だよッ!!

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