【完】恋の欠片―ユアン編―㊤

すれ違い

バタバタと廊下を走る足音が2つ。



「怜奈っ、雪兎、どこにいるの?」



走りながら問う私。



「多分、視聴覚室!そこにいつもいるって先生が言ってた!」



怜奈はチラッと後ろを向きながら答えた。



走ってるせいで、私の長いストレートな黒髪がなびく。



なぜ、走っているのか。


それは、雪兎が女の子たちに囲まれないうちに、話を済ませるためだ。

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