セツナイ恋愛短編集―涙と絆創膏―
あっという間に


ハタチ、なんて
過ぎて


6年が過ぎていた



ハタチ、なんてつい
この間だったのに


勤めている会社では
オツボネさんに
意地悪されなくなったし

部長のプチセクハラの的からも


外れたのは
いつからだったろう?



淡々と振り分けられた仕事を片付けて


壁に設置された
無機質な時計を見る



…18時
ジャスト



帰る時間
この時を待っていたんだ


「さて…と」


そそくさと
帰る用意をする私を


すがる様な目で見る
隣りの後輩


菊地君


「先輩…そんなに急いでデートっすか?」



いいなァ~
仕事終わんないよぉ~
と大きく伸びをしながら
愚痴を言う



「そんな顔しないで、頑張って終わらせなさいよ!」


私は
菊地君の肩を叩いて
オフィスを
後にする



今日は

何の日?


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