セツナイ恋愛短編集―涙と絆創膏―
ヒロが…
そこにいる


「これ…お前だろ?」



ヒロは鞄から


見覚えのある封筒を
出して
顔の横でヒラヒラとした


「あ…」


私がつぶやくと

ヒロは

私に近付いてそばにある机に
座って言った


「いいよ。
それは俺のおごり
…もうあんなことすんなよな」


そうして
封筒を私の方に
突き出す



どうかしている…


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