愛憎友達
それはまだ5月の梅雨入り前の頃。

今年の5月は異常な程雨が多く、朝葉の住む近くも、場所によっては大雨洪水警報が発令されていた。

学校近くにある川も通常の3倍以上のかさになり、注意報が呼びかけられていた。

そんな土砂降りの雨の日。

いつもの平穏な学校がこの日は妙にバタついていた。

朝葉のクラスの1時間目は突然自習になり、やることもなく50分間を持て余していた。

そのバタバタは、和飛があのかさの増した川で溺れたのが原因だった。

翌日にはすでにその話は噂として広まって、和飛は一躍有名人となった。

朝葉のクラスが自習になったのも、その担当教師が和飛の担任だからだった。
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