聖男子マリア様 番外編  俺様天使奔走中につき
ガブリエルが少し口を開けると、そこから煌く光の細かな粒子が霧のように漏れ出てきた。

それはわずかに呼吸するマリアの息に乗り、体の中へと取り込まれていく。


「それ、なに?」


ヨハネがたまらずにそう聞いてきた。



「さぁな……」


自分にも、ガブリエルがしていることが分からなかった。


あの小瓶はなんだ?


あんな処置の仕方、今まで見たことがない。



ガブリエルの口元から流れる霧が途切れると、ガブリエルは徐に背中の羽を一枚抜き取った。
その羽は次の瞬間、彼の腕ほどの太さをした注射器に姿を変えた。


「うわっ!! まぢで!!」


隣で心底驚いたようにヨハネが叫ぶ。



もう少し、静かにできないのか、この男は……



「うるさくてすんませんねぇ。オレ、真理矢みたいにそういったことにはあんま、慣れていないんで」



ヨハネがシレっとした態度でそう言った。



マリアと違って、この男には腰の低さが欠けている。

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