聖男子マリア様 番外編  俺様天使奔走中につき
おまえの声が聞きたい。
おまえの笑った顔が見たい。
おまえの情けない顔も。

なんでもいい。


目を開けて、もう一度私の名を呼んでくれるのなら。
私はどんなことだってする覚悟があるのに……



「ミカエル。今は落ち着きなさい。そんなことでは悪魔に足元をすくわれる」


年長らしい言葉でガブリエルは制した。


分かってはいる。
分かってはいるけれど。


「マリアくんのいないミカちゃんはダメダメだね」


そう言うと、ガブリエルはポンっと自分の背中を押した。


開かれた地獄の門の外へ押し出される格好になる。

自分に続いて、ヨハネもガブリエルも外に出た。


その瞬間。
地獄の門は重い音を立てて閉まり。
そこから消え失せる。


自分たちの立つ場所は社会科研究室と呼ばれる学校の一室に戻っていた。


「さぁてと。ミカちゃん。応急処置したいから、マリアくんをそこのソファーに寝かせてくれますか?」


部屋の奥のほう、パーテーションで区切られたその向こうにある黒い皮ソファーを刺してガブリエルが指示をした。
言われるままに、マリアをそこに横たわらせる。


ガブリエルは懐から小瓶を取り出すと、マリアの傍らに膝をついた。
それからその小瓶に入った液体を飲み干し、マリアの口元近くに顔を近づけた。


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