百物語骨董店
私は 母親の習慣の影響で玄関に盛り塩をしていた


「母です」

「…いいお母さんですね。たまには連絡してあげてください」

いつも無表情だから
その時の笑顔は印象的だった

どうやらその塩のお陰であの女は中に入れなかったらしい

その後、私は熱を出して一週間ほど寝込んだ


その間に骨董店から請求書が届いていて

熱も下がり、ポストからそれを取り出した時には
あの時置いていた
玄関の塩が
皿ごとなくなっていた

請求書は白紙だった

それをなぜ持っていったのか

どうやって持っていけたのか

それはわからない

だけど

あの不思議な店だから
それも可能なんだと思う

元気になって優と仲直りし、店のことを話したが
信じてくれないので

2人でまたあの店へ
行ってみることにした


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