百物語骨董店
病院に行くと



智子はもう
起き上がっていた



「病院に運んでくれたんでしょ?ありがとう」


もう
すっかり
熱も下がって
モリモリご飯を
平らげていた


「智子、あのね…
サファイアの事なんだけど」



私が
あの話をしても


智子は
キョトンとしていた



その後も
何度もあの店の話をしたが


智子は
忘れてしまっているようだった


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