Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜


「お兄ちゃん!!」


「ま…り…」


口に付けていた青い酸素マスクが微かにくもり、お兄ちゃんの声が聞こえた。


「ご…めんな…」


「もう、バカ!!」


頭に巻かれた包帯を手でなぞりながらお兄ちゃんに抱き着いた。


その包帯は肩から胸まで巻かれていて思わず目を覆いたくなった。


「お兄ちゃんはどうしてこんなめに…」


隣に立っている篤さんに尋ねる―。


「多分、別の組との縄張り争いだろうな、最近小さなイザコザが絶えなくてな。警戒していたんだが、通行人にいきなり後ろから刺されたみたいだ。うちの連中が相手を全力で捜してる。もう大丈夫だから安心しろ」


「はい…」


苦しそうに呼吸をするお兄ちゃんの姿を見ながら篤の拳に力が入っていた。











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