Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜


「莉奈ちゃんもとうとう結婚したのね」


「うん、式は来年らしいけどね」


誕生日の前夜、恒例の誕生日会が山崎家では行われていた。


今年の料理は一段と豪華で寿司にステーキ、中華までもが並び、ホテルのバイキングを思わせる程だった。


「麻里も明日で二十歳だな」


ずっと黙っていた、お父さんがワイングラス片手に口を開く。


「勇一も生きていたら可愛いい娘に目を細めているだろうな」


静かにお母さんが頷く。


明らかに何か二人の様子がおかしかった。


いつもならお父さんのテノールの効いた低い声でずっと歌っているのに…。


二人とも口どころかフォークとナイフも動かない。


リビングはお通夜のように静まり返っていた。













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