Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
「どうしても颯斗の無念を晴らしたいの。約束を破った奴らが許せないのよ!このまま、のばらしにしてたら篤さんの組まで呑み込まれてしまうかもしれないのよ!」
「だからって麻里が行く事ないでしょ?龍斗や麻愛美だってまだ小さいの。母親が必死な時期なのよ!あんまりよ!あたしは納得出来ない!」
莉奈が龍斗と麻愛美を抱き寄せ、くるりと背を向けた。
「実は…篤さんには了解得てるのよ。加賀組の様子を探るにはどうしても篤さんらの協力が必要だったから…」
「う…そ。篤が賛成したの?そんなはずないわ!確認するから」
莉奈が鞄から携帯を取りだした。
「莉奈やめて!」
莉奈の携帯を取り上げる。
「どうして…?麻里はどうしてそこまで復讐にこだわるのよ」
「莉奈…。あたしは颯斗の妻よ。颯斗は裏切られて死んだの。悔しいじゃない。一対一の勝負で負けたのなら颯斗も納得したと思うの。無念を晴らせるのは妻であるあたしにしか出来ないことなのよ…分かって…」
莉奈が体を震わせながらあたしを見上げ、ようやく頷いた。
莉奈…ごめんね。
いつも我が儘を聞いてくれてありがとう。
貴女はあたしの太陽でした。
暗い陰にばかりいた、あたしを眩しいくらい照らしてくれた。
最高の親友だったよ。
これからもずっと変わらない太陽でいてね――… 。