先生の秘密は恋の予感
佳奈実、おまえを置いて帰れない。




置いて帰りたくないんだ。



だが、万由美をここに置いて帰る訳にも行かず、くそ、どうすりゃいいんだよ。




浩平が俺の前に現れた。




「佳奈実、飯を食いに行くぞ。」


ここではっきりと言っておこう。



「浩平、飯だけにして、奈必ず佳奈実をマンションまで送れよ。」


浩平が俺を睨む。


「何で宗平に指図されなきゃいけないんだよ。」


お願いだから。



「頼む、佳奈実は俺の生徒なんだよ。何か間違いがあっちゃいけないんだ。宗平にも分かるよな?お前は大人なんだから、佳奈実はまだ15才だし。」


頼むから、お願いだから、素直に俺の言葉にしたがってくれ。


「分かったよ、飯くったらマンションに送り届けるよ。」


良かった。


本当に安心した。


浩平はチャラいが約束は守る男だ。


「浩平、約束守れよ。」


浩平が頷く。


「煩いなぁ、分かったよ。」


良かった。


本当に良かったと思う。


後の問題は万由美だな。


上手く話をしたいのだが。








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