先生の秘密は恋の予感
本城、なんでおまえがいるんだ。


ずっとそこにいたのか。


「大輔、もう止めろ。佳奈実は関係ないだろ。佳奈実はこれ着ろ。凉子は病気だったんだ。」



そんな話は聞いてない。



「もう長くなかったんだ。その事はどうしても大輔に言えなかった。俺はいつも凉子の話し相手になっていて、俺も凉子を好きになった。」


嘘だ。



「凉子は大輔も俺も両方好きだと言った。俺はそれでも言いと言ったんだよ。俺が間違っていたと気付いた時には遅かった。」


とうして、そんな話になるんだよ。


俺は、俺はずっと自分を責めてきた。



「大輔のせいで凉子は死んだんじゃないんだ。どちらかと言えば俺の責任者。おまえたちの間に割りこんだ俺が悪い。」


何が何だか分からなくなった。



「それは違うと、クシュン!」


佳奈実の存在をすっかり忘れていた。


「ごめんな佳奈実の事をすっかり忘れてた。俺の上着を着ろ。だが、妙にエロぽい。」



「本城の、バカクシュン!」



「俺はただ悔しくて、凉子を死なせてしまった自分が許せなくて、そのイライラを宗平にぶつけた。」


俺は何をしたいのだろ。


宗平を苦しめたいのか。



「俺はおまえの気持ちは最初から分かっていたから。」


宗平はそう言う奴だ。



「俺はどうかしてた。凉子の気持ち分かっていたのに、守ってやれなかった。」


クシュン!


あ、佳奈実を又忘れた。


ごめん。










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