いとしのかずん
敦美は、多少、みけんにしわを寄せて下を見た。

口も少しとがらせて、若干、困り顔という気もするが、見ようによっちゃあ、まんざらでもないといった感じに、見えなくもない。

ーーもしかして、アイツと?? ……

瞬間的に第六感のようなものが働いた。

もしかしたら、ケンタウルスと敦美は、付き合っているのかもしれない。
もし、そうではないとしても、これからどんな展開が待っているのかもわからない。

昼間のあのケンタウルスの態度を見ていると、明らかに敦美に気があるとしか考えられない。

なにせあの図々しさである。

すでに告白は終了しているかもしれないし、もしまだだとしても時間の問題であることは明白。

いろんなもやもやが、一瞬のうちに頭をめぐる。
胸のあたりに、不快な気持が渦巻いているようだった。

とにかく、悶々としたまま過ごすのは精神衛生上よくない。
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