それでも傍にいたい〜先生と生徒の逢瀬〜
「柳、」

騒ぐ生徒たちに目を細めていたら、村川先生がそう私を呼んだ。

「はい。」

「沖縄、初めてなんだろ?生徒と一緒に色々回ってみるか?」

「え、いいんですか?」

「勿論。教師だって少しは羽を伸ばさなきゃな。修学旅行の間は生徒に戻って、楽しめ。」

そう言って、私の頭を撫でる。その言葉が嬉しかった。

「ありがとうございます。」

「修学旅行、楽しめよ?」

「はい!」

先生はきっと、ホームステイした私を心の片隅で気にしててくれたんだと思う。いくら私が、イギリスで有意義な時間を過ごしたと言っても、高校生活の思い出が他の子より少ないこと、気にしてくれてた。

そんな村川先生だから、生徒からも信頼されていた。そんな村川先生が、みんな大好きだった。
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