それでも傍にいたい〜先生と生徒の逢瀬〜
「美加せんせっ!一緒に回ろー!」

そう私の腕に抱き着いた、田中さん。

「うん。回ろ。」

「やった!」

私はそうして、彼女達の班と行動することになった。

久しぶりの修学旅行、初めての沖縄。
とっても楽しくて、歳は離れてるけど、笑いながら見知らぬ通りを歩いたその時間が、とっても有意義に感じた。

ふと、頭を過ぎった。もしあの頃、私はロンドンに行かなくて、飛鳥や章とこの沖縄に来てたら、どんなに楽しかっただろう。
そんなこと、ほんの一瞬脳裏に浮かんだ。

馬鹿ね、そんなこと考えないようにしてたのに。私はあの半年間で色んなことを吸収した。学校で教えて貰えなかった、イギリスのスラングとか、文化とか、なによりマーレイ一家と出逢えた。だから、そんなこと考えないようにしてたのに。
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