俺の彼女
一瞬…
ほんの一瞬


愛梨の肩が揺れた



そして



俺を押し離す




前髪がかかった瞳は
雨だか涙だかわからない


ただ
濡れていた




「何かの冗談…?」



「え?」


予想外の言葉に耳を疑う


「私をからかってるんでしょ?
…私…デブだからっ…本気にしたら、笑い物にして突き放すんでしょ…?」



「は…?
そんなつもり…」



「もういいよ!」


突然愛梨の言葉が俺の言葉を遮った



「もう…いいよ…。
今まで付き合ってくれてありがとう。

さよなら。」




“さよなら”



大好きな人から
一番聞きたくない言葉


それが
俺の中に突き刺さった
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