俺の彼女
日が沈んで暗くなった海岸線を愛梨の家を目指して走る


「…。」

エンジン音に混じって愛梨の声が聞き取れない

「なに?聞こえない。もう一回言って。」


少し背中に耳を傾ける


「また、見に行きたいな!」
今度ははっきり聞こえた


思わず笑顔になる


「わかった。
また、連れていく!」


俺が返した瞬間
腰に回る愛梨の腕がぎゅうっと締まったのがわかった

こんなことが
小さな嬉しいことが
これからも増えていけばいいな


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