君に贈る詩*

最後のキス

最後のキス、あたしは、君に酔いしれたんだ。




「ねえ、

キス、して?」


お願い。

君が遠くに行く前に。



あたしの心に君を刻んで。

君の心にあたしを刻んで?

お願い。



あたしのことを忘れないで─…



「やだよ。」


「…、なん、で…?」


「だって、きっと。

キスしたら離れられなくなる。」



そのとき、あたしは君の涙を初めて見たんだ。



あたしの頬にも温かい涙が伝うのがわかった。



「見んな、よ…」



「じゃあ、キスしてよ。

それなら目を瞑る、で…

んっ。」

最後まで言い終わる前にあたしの唇はもう塞がっていた。


君はすぐにあたしから少し離れて

「黙っとけ。」

そう言ってからまたあたしに深い深いキスを落としたんだ─…




─最後のキス─
(最後は君の弱さも知ったんだよ)
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