君に贈る詩*

気付かれないように…

あ…



思わず声を出しそうになる。


偶然乗ったバス。

君は偶然同じバスに乗っていた。




気付かないで。


見つめる、君の後ろ姿。

その距離、わずか3メートル。



その3メートルが果てしなく遠い。



私は、ここから君を見つめる。



あえて、君からは死角、あたしからは見える、そんな席を選んだあたし。



気付かれても、きまずいだけと思う気持ち。


でも、期待してしまう気持ち。



矛盾した想いと想いが重なって、涙が溢れる。


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