恋せよ男女(オトメ)
本当ならば届いた荷物を開いて、きゃっきゃと喜ぶ結衣の姿があっただろう。





玄関に寂し気に置かれた荷物を結衣の部屋に運び入れた。





♪~♪~   ♪~♪~




つながらないと分かってはいても何度となく鳴らしてみる。




「電源が入っていないため・・・・・。」




結果は何度かけても同じ。




『仕事を新しく探すって・・・・・』




このまま本気で俺から離れるつもりか・・・・・




自分から離れようとする結衣を何とか手元に置いておきたい。




慎一郎は頭を抱えた。





♪~♪~    ♪~♪~




無駄だと思いつつ恵子の電話も鳴らしてみる。




「留守番電話・・・・・・」




何度目かのコールの後に留守番電話につながった。




「取らないか・・・・・」




♪~♪~    ♪~♪~




紀子の電話も鳴らしてみる。





「留守番電話・・・・・・」




同じく何度目かのコールで留守番電話につながった。




「・・・・・。」




「頼むよ  いい加減取ってくれよ!」




テーブルに虚しく電話を置いてソファーに深くもたれかかった。




コンペの入選した事も伝えてやりたい。




13日にはドレスを着て出席できるんだ。




という事も伝えてやりたい。




話したいこと、話さないといけない事・・・・・。




考えれば考える程、今ここに結衣がいない事に苛立ちを感じる。
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