【企画】半熟騎士の日記帳 2nd cross
一方で、アシュレイに揺り起こされた少女はというと。

「ほらね、キルト。みなさい! 私の言ったとおり、神界の扉は本物だったでしょ」

目覚めた途端に、神殿の中央へと突進していた。

ぴょんぴょんと跳ねながら胸をそらして、誇らしげに言う。

「これは世紀の大発見だよ!」

「……そうかなぁ」

対照的に、疑わしげな少年――キルトは、エリードを見上げて肩をすくめた。

「だって、人がいるよ。ルーチェ」

おずおずとした指摘に、遺跡の柱をじっくりと眺めていた少女――ルーチェも、少し熱が冷めたようだ。

「そういえば、そうね……」
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