繭(まゆ)

翌朝、再びタクシーに乗り、私と義母はあの無機質なまだ新しい家へ。


小さくなって見えなくなるまで、ずっと立って見送ってくれている母の姿を眺めた。


ああ、いつかまたここに戻ってこよう。
そしてまた、二人で暮らせればいい。


そう思いながら、義母のお土産のチョコレートをひとつ口に含んだ。


久しぶりに食べるチョコは、何だか苦味ばかりが強かった。


あれだけ、好きなものだったのに。








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