昭和お笑い暗黒史────戦艦「大阪」解体大作戦


………その時……!!

不意に、壁の赤いランプが眩く点滅し出したのだ!!

続いて、警報が───!



♪かんさぁ〜〜い、でんき、

 ほぉ〜〜あん、きょ〜〜かい♪



────ずべしっ!


「………何でやねんっっ!!」

けたたましいサイレンを予想していた俺は、その、中年男の気の抜けた声に思わずズッコけ、指揮卓で鼻を打ってしまった。

「……どうやら、早くも敵に見つかったようだな。」

「いや、ちょと待て!敵襲なんやったら、もう少し緊迫する警告音をやな………!」

「太郎君!メインモニターに映像回して!」

先ほどからのしゃべりがナリを潜め、司令官としての威厳を放ちだした林のオッサン。………いや、だから、真面目な顔して貧乏ゆすりをすなっ!

そうこうしてる内に、メインモニターには敵と思しき戦闘機群が映し出された。

「………うっわ、F/A18ホーネットやんけ!!」

最新鋭とはいかないが、優秀な空戦能力と対地攻撃能力を有する、今最もメジャーな米軍機である。それが、ざっと見ただけでも10機………!

そして、艦内放送へ、聞き覚えのある声が入った。

『……最早、消えていただくしか道はありませんぞ、博士。』

「おぉ、窓際エージェント君か。あの高さから落ちた割には元気そうだね。」

『………降伏勧告は無しだ。始めさせて貰おう。』

「……なぁなぁ、君程度の権限で、こんなモン引っ張り出してきて、ええのん?……失敗したら、自分、クビだけで済まへんとちゃうか?」

『……………ッッ!!!』

ブツ──────ッ。

通信は切れた。

「やっぱり図星かいな。」

満足そうな林のオッサンだったが、自分があの戦闘機群にケンカを売った事に気付いているのだろうか………?


────ズガガガッッ!!


「のわぁぁっっ?!」

………言わんこっちゃない!

今、我々の居る艦橋の司令所めがけて、戦闘機からバルカン砲が発射された!





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