満月の夜に魔女はワラう 第一部 新月の微笑
それは誠の表情にもはっきりと出てきていた。

固く口を閉ざした風でも、何を話すべきか悩んでいる風でもなく。

一瞬、未知の物に出会ったようにキョトンとした表情、その後には困惑だけが支配していた。

それを千草はただ、観察していた。

そして口を開く。

「本当に…」


「何も知らないようだね。」

「知らないのなら教えてあげる。

私のことを。

魔法を使う者の目的を。」


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