満月の夜に魔女はワラう 第一部 新月の微笑
闇の夜を越えて誠に聞こえてくるのは、クスクスと笑う魔女の笑い声。

「な、んで……なんでそんな事を?」

誠を支配したのは動揺。

しかし、

綾香は人を殺し、世界を滅ぼそうとしている。

それは紛れもない真実。

誠にそれが刻み込まれた。

「なんで?そんなことはどうでもいいのよ。」


相変わらず魔女はクスクスと笑っている。

「綾香姉ぇ、そんな…。

ただの盗みだし、人を傷つけるわけじゃない。

だから俺は手伝えた。

だから俺は綾香姉ぇを…。
綾香姉ぇを好きなままでいられた。


でも、でも……。」
< 92 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop