36.8℃の微熱。
 
なんて。

ボソッと憎まれ口を叩いてみたけど、それとは逆にあたしの心はポカポカ温かかった。


パスタ屋さんに戻ると、あと3組で先生の名前が呼ばれるところまで順番が迫っていた。

近くの壁に寄りかかって携帯をいじりながら待つ間も、頭に浮かんでくるのはあの2人のこと。


先生と小春さん、うまく仲直りできたかなとか、先生と似て何気に女王様キャラだったなとか。

『帰れ!』って言ったあたり、いじられキャラのあたしとしてはゾクッと悪寒も走ったりした。


結局、何が原因で別れたのかなんて全然知りもしなかったけど。

けれど、あれでヨリを戻してもらえたなら、あたしがあの場にいたことも少しは役に立ったって褒めてあげてもいいかもしれない。

自分で自分を、ね。


そんなことを1人ぼんやりと考えていると───・・。


「2名でお待ちのカタギリ様ー」


店員さんが外に出てきて、ついに名前が呼ばれた。

一応、来るかなと先生の姿を探してみたけど、やっぱり来なくて。


「はい!」


あたしは1人でお店に入った。
 

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