36.8℃の微熱。
 
ちょっとばかし強引な気もするけれど、ユカ様がそう言うなら間違いないはず。

うん、とりあえず、気持ちが安定するまでこの線でやってみよう。


「だーって、ねぇ」


すると、どことなくアヤシイ薄ら笑いを浮かべるユカ様。

その笑顔にギクリと体が固まる。


「・・・・ん、ん?」

「茜ちゃんごときが2人を相手するのは無理よ。まずは1人から経験積んでいかないと」

「はい?」

「だから、二股かけてるとか思っちゃダメなワケ。茜ちゃんにそんなのできるわけないんだから」

「はあ」

「ま、あたしくらいになると簡単だけどね。夏は弾けまくるよー、あ・た・し♪」


けなしているのか、元気づけようとしているのか、はたまた夏の大胆目標を聞かされているのか。

よく分からんよユカ様。

その薄ら笑いの本当の意味もさっぱりだし・・・・。


でも、頑張ってみよう。

目をつぶってばかりじゃ、いろんなことを見落としてしまうから。

そんなのもったいないもん。






15歳の夏、始動です───・・。
 

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