36.8℃の微熱。

夏にハジケル

 
・・・・というわけで、かくして胸のモヤモヤを解く糸口が見つかったあたしだったけど。

具体的にどうすればいいのか、それが分からないため、まずは夏休み中もよく会う先生の観察を始めてみることにした。



───*。゚



「いいかー? 俺には関係ないけどココ、覚えとかないとあとで泣くのはお前らだからなー」

「なんだよ先生、関係ないとか言わないでほしいんだけどー」

「うるさいドベ夫、まだ1年だと思っていい気になるな。アホ」

「俺、和夫なんですけどー・・・・」


わははは。

先生の授業はいつもこう。

勉強勉強でカリカリしているあたしたちに“笑い”というエッセンスを提供してくれる。


最近の先生のお気に入りは、ドベ夫こと“和夫”君だ。

先生の発言に目ざとく食い付く彼に、先生も負けず劣らず。

2人のこんなやり取りがクラスで起こるたび、みんなのやる気度もぐんと上がるみたい。

その証拠に・・・・。


「学校より難しいこと勉強してるのに、むしろ塾のほうが楽しい」

「あ、あたしもあたしも!」
 

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