36.8℃の微熱。
 
「プリン・・・・」

「うん、プリンっ!今思い出すだけでも腹立つわぁ〜!!」

「プリン・・・・そうだねぇ」

「でしょ!?」

「う、うん」


よっぽど好きなのね、プリンが。

きっと、ユカ様にとっては“たかがプリン”で済まされる話じゃないんだろう。

“でしょ!?”と同意を求めたときの眼光の鋭さといったらもう・・・・ここで頷かないとマズいと本能的に察知したほどだった。


「お姉ちゃん、ついこの間フラれたばっかだから、絶対あたしに八つ当たりしてんのよ!」

「そうなの?」

「そうに決まってる!あ、今思い出した!なんで彼氏勝負になったかっていうと───」


そのあともユカ様は散々お姉ちゃんの愚痴を言い続け、あたしは終始聞き役に回った。

結局、本気になりそうだというお相手のことも聞けずに、時間がきてしまってそのままバイバイ。

・・・・ねぇユカ様、あたしの話は?


夏に弾けたいというユカ様と、先生に対して不安定な気持ちを持っているあたし。

あたしたちの夏は、始まった先から前途多難の予感です。
 

< 180 / 555 >

この作品をシェア

pagetop