36.8℃の微熱。
「プリン・・・・」
「うん、プリンっ!今思い出すだけでも腹立つわぁ〜!!」
「プリン・・・・そうだねぇ」
「でしょ!?」
「う、うん」
よっぽど好きなのね、プリンが。
きっと、ユカ様にとっては“たかがプリン”で済まされる話じゃないんだろう。
“でしょ!?”と同意を求めたときの眼光の鋭さといったらもう・・・・ここで頷かないとマズいと本能的に察知したほどだった。
「お姉ちゃん、ついこの間フラれたばっかだから、絶対あたしに八つ当たりしてんのよ!」
「そうなの?」
「そうに決まってる!あ、今思い出した!なんで彼氏勝負になったかっていうと───」
そのあともユカ様は散々お姉ちゃんの愚痴を言い続け、あたしは終始聞き役に回った。
結局、本気になりそうだというお相手のことも聞けずに、時間がきてしまってそのままバイバイ。
・・・・ねぇユカ様、あたしの話は?
夏に弾けたいというユカ様と、先生に対して不安定な気持ちを持っているあたし。
あたしたちの夏は、始まった先から前途多難の予感です。