36.8℃の微熱。
 
「あのー・・・・」

「だからなんだよ」

「あの、これからも数学教えてもらえますか? 見捨てたりしないで、分かるまでちゃんと」


どうしても今、先生に聞きたくなっちゃったから。

確認するわけじゃないけど、さっきの言葉には“まだまだつき合ってやるよ”っていう意味合いが含まれていたように感じたから。

遅くないなら、今からでも、ここからでも必死に吸収したい。

すると先生は、ハワイアンパラダイスについていたストローの反対側を口にくわえて。


「バーカ。江田ちゃんに算数から教えたのはどこの誰だ? こんなに手のかかる生徒、俺以外に誰が受け持つかよ」


と、いつもの魔王スマイルで言って、軽くデコピンをした。

あたしは大げさに「いでっ!!」なんて憎まれ口を叩いたけど。

でも改めて聞くまでもなく、先生はあの先生とは根本的に違った。

それが単純に嬉しい。


「先生しかいません!」

「だろ? 大いに敬え!」


たった2点しか取れなかったテストだったけど、先生のおかげで不思議と落ち込むことはなかった。
 

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