36.8℃の微熱。
 
窓から身を乗り出して、浜を右から左へ、一通り見渡してみる。

すると・・・・あ、発見。

先生は、本当に炎天下のもとでボランティアに勤しんでいた。


「あらホント」

「ね。シゲオジ・・・・あ〜、マリアンヌが、働いてもらってもバイト代は出せないからって断ったんだけどね。ウチ、ギリギリだし」

「うん、知ってる」

「でも、寝るとこも食事もタダで申し訳ない、茜ちゃんのぶんだけでも稼ぐ、って先生が。ボランティアの売り上げは、全部茜ちゃんの宿泊代にするんだって」

「・・・・」


ろくに眠れなかったくせに、朝は浜でゴミ拾い、昼はボランティアって・・・・先生、体持つのかな。

しかもそれはあたしのため?

あ、どうしよう。

またキュンってきた。


「あたしも断ったんだよ? 無理やり呼びつけたのはあたしだし、茜ちゃんのぶんはバイト代から引いてもらうから、って」

「・・・・うん」

「でもさぁ、ユカちゃんもいろいろ欲しいものがあるでしょ? って言うのよ、先生。暇だから気にしないで、って」

「そう・・・・」
 

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