36.8℃の微熱。
 
「ま、そういうことだから。あたしたちはもう先生にちょっかい出さないし、お店にも行かないよ」


だから安心してね。

と、お姉サマはにっこり笑って、あたしの肩をポンポンと撫でた。

そして。


「さっさ茜ちゃんは謝ってくれたけど、それはあたしたちのほう。いろいろとズケズケ言っちゃってごめんね。あたし以外は寝ちゃってるけどさ、気持ちはみんな同じだから。許してやって」


そう、本当に申し訳なさそうに頭を下げてくれた。


「そんなっ、やめてください!あたしのほうこそ・・・・!」


似たようなことを3回も聞かされて、もうウンザリだったはずなのに・・・・ホント、申し訳ない。

ここに来た日、サトルさんに頭を下げられたときと同じ感覚だ。

年上に、しかもお姉サマにだと、どうしたらいいか分からない。

・・・・あれ、でも。


「ちょちょ、ちょっと待ってください!これでもう3回目なのに、なんであたしの話を最後まで聞いてくれたんですか?」

「へ?」

「どうして途中で“聞いた”って教えてくれなかったんですか?」
 

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