馬鹿寮長と天才不良




結局豆電球はわからなかったから買わず、ベットカバーとかその他諸々を買って帰った。



ドアよりも少し下にある鍵穴に金が少しはげている鍵を差し込んだ。




「ただいま〜」





返事はかえってこない。


いや、まあ期待はしてないさ。


おかえりって言ってほしかったってちっとも思ってないから。





「・・・家と同じ、か」





「何が?」





「げっ、那智君」






視線を玄関マットにおとしていた私は声がしたから顔をあげた。




そこには缶ジュースを片手に那智君がけだるそうに立っていた。





やっぱカッコイイ人は何してもカッコイイな。




ガシッ!





「げっ、てなにかな藍華チャン?」




「い〜、やーめーれー!」




那智君はあいているほうの手で私の頭をガシッと掴みぐわんぐわんとまわした。



酔う酔う酔う酔う!


髪が乱れる!!





「ま、俺優しいから許してあげるよ」




そういうと那智君はパッと手を放した。




「・・・こういう事をする時点で優しくないし」




「あ〜、なんだかこのジュースいらなくなった。
捨てようかな」




「ありがとう那智君!!優しいねっ」





那智君は缶を見つめて最後のほうで私をちらっと見た。



絶対あれは謝らなきゃ頭にジュースの雨が降ったよ。




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