恋(Ren)&愛(Ai)~叶わない恋~
「じゃあ、もう帰ろう」
「そうだな。ありがとう」
 
アイが言ったので、俺は微笑みながら

アイの頭をなでた。

ありがとう、こんな俺を認めてくれて。

そして俺たちは同じ傘に入り、

歩き出した。
 
「そうだ。まだ答え、言ってなかったね」

帰り道、不意にアイが言った。

俺は一瞬何のことか分からなかったが、

告白の事だと気付く。

鼓動が高鳴りだした。

「あたしも……、ずっとお兄ちゃんが
好きだった」

まさかの言葉。

1度きいた時は「そういう風に見れない」

とまで言われたのだ。

それなのに、どうしてそんな言葉が

出てくるのだろう。

「だけど、あたしたちは
 兄妹だから、恋人同士のなれないって
思って、あきらめてた」

俺だってそうあきらめていた。
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