アリスと白うさぎ -前編-
「お前、弟?にしては、可愛げねぇな」


ピシッ

翔から異様な音が…?


「か、ける?」


あたしは恐る恐る翔を覗き込む。


「可愛げねぇのは生まれつきだよ!二度と澪姉に近付くんじゃねぇ!」


翔は鋭い目つきでそれだけ言った後、あたしの右手を掴んで学校の方へ歩き始めた。


「え、ちょ…翔っ」


グイッと男の子の力で引っ張られる。


「また、な…澪ちゃん」


すれ違い様に耳元で囁かれた。


「っ――」


あたしは左手で耳を押さえた。

振り返ると、笑顔でヒラヒラと手を振る金髪ヤンキーくんがいた。

押さえた耳が…熱い。

不、覚。

そして…最悪。

何あの男!

絶対絶対…ない!

ありえなーい!

あたしは翔の手を払って走り出した。
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