愛されて
退院はしたものの…
私は家に帰りたくなかった。

「しばらくはひやかされたりするだろうけれど、頑張ろうな」
洋平が言った。

私は笑顔で頷いた。


「ただいま…」
私は家に帰った。

「お帰りなさい」
出迎えてくれたのは…おばあちゃんとパパとママだった。

「この…恥さらし!!」
おばあちゃんが私を見るなり、叩いた。

やっぱり…
あの噂はおばあちゃんの耳まで入っていたんだ。

「どうして、閉じこめられたの?遥香がヘラヘラと遊んでいるからよ!!」

「お前、2人で何をやっていたんだ?」
パパが聞いた。

「何もしてないよ。2人で…どうやって部室から出られるか考えていたの…」
私は言った。

「明日から…この家から一歩も出ないで、勉強しなさい。それと、洋平君とは別れなさい!!」
おばあちゃんが言った。

「遥香、前から言っているように…あなたと洋平君は釣り合わないの。あんな、走るだけしか能がない男と遥香が付き合っていると知られたら恥ずかしいじゃない…」

ママも。
おばあちゃんも。
パパも。

気にしているのは世間体で。
私のことなんて…考えていない。
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