愛されて
「遥香、何か…おばあちゃんに言いたいこと、あるんじゃないの?」

久しぶりに土曜日をのんびりと過ごしていた。

そんな時。

おばあちゃんが急に…
そんなことを言った。

「えっ!?言いたいことって…」
私はとぼけた…

本当は…
おばあちゃんか歩ちゃんに。
自分は妊娠しているかもしれないと…
何度も打ち明けようかと思った。

でも。
できなかった…

言ったら…病院に連れて行かれる。
間違いだったら、笑ってすませられる。

だけど…妊娠していたら。
大騒ぎになる。
ママに知られる…

私は考えたくなかった。
病院に行った…その後のこと。
本当はそれが1番大事なことなのに…

私は…何も言えなかった。

「お小遣いがほしいんでしょう?」
おばあちゃんが言った。
「あっ…うん」

「やっぱりね…」

おばあちゃんが財布から1万円札を取り出して。
私に渡した…

「ありがとう…」

「ママには内緒よ…」

「うん…」

私は1万円札を握りしめて。
このお金で病院に行こうと決めた…
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