愛されて
塾の終わりには…
いつもテストが行われて…

次の塾の時に…
結果が教室の黒板に張り出される。

私は…これもイヤだった。

塾が終わって、家に着いた。
着いたのは11時30分をすぎていた。

「遥香…今日、学校で」
ママは何でも知っている。
学校で抜き打ちテストがあったことやテストを返してもらったこと…

ママは本当によく知っていて、私は驚く。

私は成績表をママに見せるために…自分の部屋に行った。

隣の梨香の部屋の電気がまだついていた…
そっとドアを開けてみると。
梨香はまだ…勉強していた。

“受験生じゃないのに…こんなに遅くまで大変だな”
と思うと同時に…
梨香が少しかわいそうになった。

小さい頃からずっと…
勉強、勉強って言われ続けて。
友だちとも遊んだことがない梨香。

名門の小学校に入学してからも…
勉強についていくために、予習・復習をかかせなくて…
必死に頑張っている梨香を見ていると、私はかわいそうになってくる。

私は…成績表を持って下におりた。
リビングのソファーにはおばあちゃんとママが座っていた。

「はい…」
私は…ママに成績表を渡した。

ママとおばあちゃんが成績表を見て…ため息をついた。

「何なのよ。この成績は…みんな、80点台じゃない…」

おばあちゃんとママのお説教は続いた。

「こんな成績をとらせるために塾に行かしているのではないのよ…」
とか。

「やっぱり…遥香はやる気が足りないのよ…」

いつもは仲が悪いのに…
私の成績を叱る時だけ。
おばあちゃんとママは仲がよくなる。
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