愛されて
悔しくて…
涙があふれた。

「遥香…」
振り向くと…洋平が立っていた。

私は慌てて…
涙をぬぐった…

「どうしたの?何かあったのか?」

「ううん。目にゴミが入った…」

「それならいいけれど…お前、最近…元気ないじゃん。何かあった?」

いじめられている…
なんて洋平には言わない。

「ううん。何もない…」

「嘘だ!絶対に何かあった…何があったんだよ?」

「何もないってば…」
私は怒って歩き出した。

「何で、怒るんだよ」
洋平が追いかけて来た。
「洋平には関係ないでしょう!?」
私は言った。

そう、洋平には関係ない。

だけど、洋平は…
「関係なくない!お前のこと…俺、ほっとけないから…関係ないなんて言うなよ!」

洋平の優しさに…
涙があとから…あとから
あふれてきた。


人間って不思議だね。
さっきは悔しくて泣いていたのに…
今は嬉しくて泣いているよ。
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