<超短編>月との距離。
うさぎファンタジア。
「月の中でうさぎさんが餅つきをしているよ。」
ママがまんまるおつきさまをみながらいった。
「うさぎさんの、おもち食べたい」
わたしはママにおねがいした。
「じーっとお月様にいるうさぎさんをみてごらん。」
パパがニコニコしながらいった。
ママはくすくすわらってた。
「じー…」
いっしょうけんめい見ていたら、月のうさぎがこっちをみた。
『見たって、あげないよ!』
突然あかんべーをされて、おどろいたわたしは、なきだした。
「うさぎさんがいじわるを言う〜!」
そんなわたしをなでなでしながら、パパは言った。
「ほんとにうさぎさん、いじわるかな?」
ママも言った。
「いじわるをされたなら、それは単なる照れ隠しよ。」
それでも泣き続けるわたしに、ママは、みたことのない木でできたお皿をさしだした。
「だって、うさぎさん、ちゃんとくれたじゃない。」
お皿のうえには、きいろいお月様みたいなおもちがのっていた。
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