夏のソラ

外は相変わらずの雨で青い空も灰色の厚い雲で覆われている。
こんな天気のまま外に出る気はしないが、さすがにこのままここにいることはできないので、重い腰をなんとか持ち上げ帰路につくことにした。



と、そのとき、左目の端で何かが大きく跳んだ。
ビックリして窓の外に目を落とすと派手にこけた男の子の姿があった。


「痛そう…」


周りの注目を集めながら男の子は立ち上がり、泥だらけの洋服のまま保健室の方へスタスタと歩いて行った。
あの人も災難だな、とか他人事を考えているうちにバカらしくなってきた。


…帰ろう。
気にはなったが、そのまま帰ることにした。





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